#2 必修問題について
目次
- 目標Ⅰ.看護の社会的側面および倫理的側面について基本的な知識を問う
- 目標Ⅱ.看護の対象および看護活動の場と看護の機能について基本的な知識を問う
- 目標Ⅲ.看護に必要な人体の構造と機能および健康障害と回復について基本的な知識を問う
- 目標Ⅳ.看護技術に関する基本的な知識を問う
- おわりに
看護師国家試験は第93回から必修問題が導入されました。その評価基準は絶対基準とされ、8割以上の得点率が必須となりました。つまり、当時は30点満点中の24点以上が必要でした。
その後、必修問題が50問に増問され、現在では50点満点中40点以上の得点が必要です。
必修問題は、看護師にとって必要な基本的知識が問われており、タクソノミ―の話(#1)ででてきたⅠ型(単純想起型)及びⅠ’型(推定型)の出題が多くを占めます。
タクソノミ―による分類に基づくならば、基礎知識+常識によって解くことができますが、出題基準が269項目と広く対策するにも時間がかかります。
そのため、まずは頻出の項目をしっかり対策することが必要です。以下に近年の国家試験における必修問題を出題基準で示しました。
目標Ⅰ.看護の社会的側面および倫理的側面について基本的な知識を問う
主な内容
まとめ
目標Ⅰでは、統計・法律・制度について問われています。厚生労働省が公表している統計データをすべて把握することは困難です。
そのため、過去問題で出題されている統計については、最新のデータに直して理解しましょう。暗記の要素もあるため、秋からの対策でも十分間に合います。
法律や制度に関しては、必修問題で出題される範囲は限定されているので、それほど難しいものではありません。
過去問題で出題されている内容をしっかりと理解することで、十分に対策することができます。
目標Ⅱ.看護の対象および看護活動の場と看護の機能について基本的な知識を問う
主な内容
まとめ
目標Ⅱでは、各ライフサイクルの特徴と医療関連施設について問われています。
胎児期から老年期までの人間の特徴として、解剖生理学や発達心理学に関する知識が問われるので、それらについてしっかりと対策をしましょう。
医療関連施設について、各施設の特徴について理解しておくことが重要です。
目標Ⅱについては、各特徴をまとめておくようにしましょう。
目標Ⅲ.看護に必要な人体の構造と機能および健康障害と回復について基本的な知識を問う
主な内容
まとめ
目標Ⅲでは、人体・疾病・薬理に関する基本的知識が問われています。
全国的に多くの受験生が苦手とする項目で、とくに勉強を始めたばかりの時期では、どのように勉強してよいかわからないという方が多くいます。
それは苦手としているからこそ、必修問題レベルと一般問題レベルの違いがつきづらく、勉強範囲を膨大に感じてしまうというのも要因となっています。
各項目について、すべてをマスターしてしまおうとは考えず、まずは基本的なところから理解するということを徹底することが重要です。
目標Ⅳ.看護技術に関する基本的な知識を問う
主な内容
まとめ
目標Ⅳでは、看護の基本的知識が問われています。
毎年、全国的にも正答率が高い問題も多く、合格に向けて決して間違えることのできない問題が出題されます。
過去問題を解くことも重要ですが、臨地実習で見聞きできる事柄も多く、実習での取り組みによって十分に対策ができる内容です。
とくに一般問題にも出題される基礎看護学の領域とも関連した知識なので、しっかりと対策をして高得点を目指しましょう。
おわりに
上に示すように、同じ出題項目から何度も問題が出題されています。
このような頻出の項目をまずはしっかりと押さえましょう。次に頻出ではない項目を押さえます。
項目に過去問題があれば、どのような内容の問題が出題されるのかがおおよそ予測できます。そのため、過去問題をしっかりと学習に取り入れましょう。
必修問題は問題の難易度としては、それほど難しいものではありません。
受験学年の皆さんは夏休み明けを目途に、一通りの過去問題を使った学習を終わらせるようにしましょう。
とくに目標Ⅲは人体・疾病・薬理に関する領域で、暗記ではなく、内容を理解することが重要です。
一人ではなかなか学習が進まない方は、是非、夏期講習にご参加ください。
出題基準には269項目もあり、未だ出題されたことのない項目も多くあります。
それらの項目は過去問題がないため、手をつけにくいですが、そういった問題に関しては予想問題を活用しましょう。