#3 これまでの受験・合格状況について
目次
受験者数、合格者数、合格率
第90回看護師国家試験から現在まで状況について表を下に示します。 看護職希望者の増加、看護師需要の拡大、看護系大学の増加など、さまざまな要因により受験者数の増加がみられます。 一方で、合格率をみてみると過去20年、90%前後を維持しています。 また、医道審議会保健師助産師看護師分科会における保健師助産師看護師国家試験制度改善検討部会報告書(平成28年2月22日)において、合格基準について「経年的な合格状況や得点状況を踏まえると現状維持が望ましい」とあり、今後も合格率90%前後を維持することが考えられます。
助産師国家試験や保健師国家試験は絶対評価形式で合否判定されるため、合格基準は得点率60%以上と決まっています。 そのため、受験生がその得点以上を取っていれば合格率100%ということもありえるのです(実際は高くて99.8%など)。 一方で看護師国家試験は相対評価形式で合否判定されるため、合格率90%前後となるように受験者数に対して合格者数が決まります。 そのため、受験者数の増加に伴い、合格者数も増加しているのですが、不合格者数も増加してしまいます。
西暦 | 実施回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
2001年 | 第90回 | 48,332人 | 40,625人 | 84.1% |
2002年 | 第91回 | 53,187人 | 44,820人 | 84.3% |
2003年 | 第92回 | 53,680人 | 49,714人 | 92.6% |
2004年 | 第93回 | 49,204人 | 44,874人 | 91.2% |
2005年 | 第94回 | 48,299人 | 44,137人 | 91.4% |
2006年 | 第95回 | 48,914人 | 43,211人 | 88.3% |
2007年 | 第96回 | 50,766人 | 46,000人 | 90.6% |
2008年 | 第97回 | 51,313人 | 46,342人 | 90.3% |
2009年 | 第98回 | 50,906人 | 45,784人 | 89.9% |
2010年 | 第99回 | 52,883人 | 47,340人 | 89.5% |
2011年 | 第100回 | 54,138人 | 49,688人 | 91.8% |
2012年 | 第101回 | 53,702人 | 48,400人 | 90.1% |
2013年 | 第102回 | 56,530人 | 50,244人 | 88.9% |
2014年 | 第103回 | 59,725人 | 53,495人 | 89.9% |
2015年 | 第104回 | 60,947人 | 54,871人 | 90.0% |
2016年 | 第105回 | 62,154人 | 55,585人 | 89.4% |
2017年 | 第106回 | 62,534人 | 55,367人 | 88.5% |
2018年 | 第107回 | 64,488人 | 58,682人 | 91.0% |
2019年 | 第108回 | 63,603人 | 56,767人 | 89.3% |
2020年 | 第109回 | 65,569人 | 58,514人 | 89.2% |
2021年 | 第110回 | 66,124人 | 59,769人 | 90.4% |
2022年 | 第111回 | 65,025人 | 59,344人 | 91.3% |
2023年 | 第112回 | - | - | - |
ボーダーライン
試験が終わった学生のみなさんが一番気になるのは、「ボーダーラインが何点になるのか」ということではないでしょうか。 必修問題は絶対評価形式ですので、80%以上の得点率が求められますが、一般状況設定問題は相対評価形式で判定されます。 先ほどもいいましたが、相対評価形式で合否判定される際には、「何点取れば合格なのか」については3月下旬の厚生労働省の合格発表まで正確にはわかりません。
過去の状況をみてみると、一部の年を除いて、多くは得点率70%以下にボーダーがあります。 ここ10年をみても65%前後にボーダーがあります。そのため、70%の得点率があれば安全圏とみていいでしょう。 ただし、油断は禁物です。 普段の模擬試験と比べて明らかに高い点が取れた場合、もちろん本人の努力もありますが、試験の難易度が低下したため全国の学生のみなさんも取れている可能性もあります。 そのようなときには、合格判定予想をしている業者等を利用するのもよいのかもしれません。
また、試験が終了すると学校に集まって自己採点会や報告会をすることもあります。 その際に学校内での平均点を出すとよいでしょう。 あるいは各業者が出している平均点を参考にするのもよいかもしれません。 平均点は全体の中間値となりますので、平均点は合格安全圏となります。 一方で、毎年ボーダーラインは「平均点マイナス30点」付近にきています。 例えば、一般状況設定の平均点185点の場合は、その平均点から30を引いた155点付近がボーダーラインです。 このこともみなさんの合格予想の参考にしていただくとよいでしょう。
西暦 | 実施回 | 必修 | 一般状況 | 一般状況得点率 |
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2005年 | 第94回 | 24点/30点 | 165点/269点 | 61.3% |
2006年 | 第95回 | 23点/29点 | 176点/269点 | 65.4% |
2007年 | 第96回 | 24点/30点 | 194点/269点 | 72.1% |
2008年 | 第97回 | 24点/30点 | 180点/270点 | 66.7% |
2009年 | 第98回 | 24点/30点 | 174点/270点 | 64.4% |
2010年 | 第99回 | 40点/50点 | 151点/250点 | 60.4% |
2011年 | 第100回 | 40点/50点 | 163点/250点 | 65.2% |
2012年 | 第101回 | 40点/50点 | 157点/247点 | 63.6% |
2013年 | 第102回 | 40点/50点 | 160点/250点 | 64.0% |
2014年 | 第103回 | 40点/50点 | 167点/250点 | 66.8% |
2015年 | 第104回 | 40点/50点 | 159点/249点 | 63.9% |
2016年 | 第105回 | 40点/49点 | 151点/247点 | 61.1% |
2017年 | 第106回 | 40点/50点、 40点/49点、 39点/48点 | 142点/248点 | 57.3% |
2018年 | 第107回 | 39点/48点、 38点/47点、 37点/46点、 36点/45点、 36点/44点、 35点/43点、 34点/42点 | 154点/247点 | 62.3% |
2019年 | 第108回 | 40点/49点 | 155点/250点 | 62.0% |
2020年 | 第109回 | 40点/50点、 40点/49点、 39点/48点 | 155点/250点 | 62.0% |
2021年 | 第110回 | 40点/50点 | 159点/250点 | 63.6% |
2022年 | 第111回 | 40点/50点 | 167点/250点 | 66.8% |
2023年 | 第112回 | - | - | - |
おわりに
第97回までは午前の最初の30問が必修問題でした。
第98回看護師国家試験では、必修問題が初めて午前と午後に分かれました。 その年には、午前問題を受けた段階でできなかったと途中で退席する学生さんもみられました。途中で諦めてしまうのは残念でなりません。
厚生労働省は「何番から何番までが必修問題です」とはいっていないので、自己採点を終えて点数が取れていなかったと諦めないで下さい。
3月末の合格発表まで、ハラハラ緊張するよりは、安心して過ごせるよう平均点以上を取れるよう、早めに国試勉強を始めるようにしましょう。